マスター・ツートンの仁義ある添乗員ブログ

自称天使の添乗員マスター・ツートンの体験記。旅先の様々な経験、人間模様などを書いていきます。

こんにちは。海外添乗員のマスター・ツートンです。天使の添乗員です。

長年している海外添乗員という仕事の中で、経験したことを、ドキュメント小説風にシリーズとして書き上げていきます。

海外旅行好きの方、旅行や添乗のお仕事に興味のある方は、ぜひお立ち寄りください。時には、旅の情報も載せますよ。

コメントはお気軽に。返信は必ずします。ただし、誹謗中傷や内容に関係ないものは、ただちに削除いたします。

登場人物(詳しくは、エピソード③で)

 

マスター・ツートン

このブログの作者で、ストーリー中の添乗員。いろいろダサかったけど、みなさん楽しんでいただけて何よりです。

 

色白OLさん

泣くほどストレスを感じていた時もあったのに、最後までツアー仲間を気遣うナイスレディ―。ありがとうございます。

 

素敵な帽子さん

色白さんの同僚で、一緒にツアーに参加した。クールでおしゃれ。帽子が似合う。色白さんに鋭い指摘をする一方で、いつだって彼女の味方。素敵でした。

 

マダム無邪気さん

最後まで、無邪気でしたが、恐縮していたところはかわいかったです。

 

姉御さん

無邪気さんのお目付け役であり、ばーやであり、お姉さん。いや、なるほど。そういうことでしたか(最後まで読んだら分かります)

 

大婦人さん

たとえ影の支配者でも、僕にとっては、とても素敵なお客様でした。

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帰国日。前日は、かなり遅くまで飲んでいたので、ゆっくりと8時過ぎに朝食へ向かった。

レストランに入ると、姉御さんが見えたので、すぐそばに席を取った。もうほとんど食べ終えていた。無邪気さんは、果物を取りにいらっしゃって、席を外していた。僕は、昨日、三人で飲んだことを話し、前日のディナー時に色白さんが席を立ったのは、必ずしも無邪気さんのせいだけではないということをお伝えした。大婦人さんや、その他のお客様の実名は挙げなかった。(分かっていたとは思うが)

「そう。二人とも偉いわね。ちゃんとあなたが心配しないように、報告されたなんて。・・・・・・・無邪気さんにも言うの?」

僕は、しばし考えてから答えた。

「いえ、だまっておこうと思ってます。」

「どうして?」

姉御さんは、じっとこちらを見つめた。彼女は、ふつうのご年配の方なのだが、なんというか、時々、尋常でないオーラを発した。じっとこちらを見つめている。

「言うべきでないことを仰ったのは確かです。あれがなければ、色白さんが席を立つこともなかったのは間違いありません。」

「そうね。」

「それに、真実を伝えたら伝えたで、またなにか余計なことをおっしゃりそうで()

「あははは。かえってそちらが心配ね。同感だわ。」

ニッコリ頷く姉御さん。

「でも、それなら私にも言わない方がよかったんじゃない?私、無邪気さんの友達よ(笑)」

それはそうなのだが、彼女にはお知らせしておいた方がいいと思った。なんとなく、無邪気さんには何も言わないような気がしたし、言ったとしても、他言しないように口止めしただろう。無邪気さんは、姉御さんに言われたことは絶対に守るから、それならそれで構わない。

姉御さんは、僕をからかうようにしてもう一度笑い、

「大丈夫よ。言いませんから。」

と、優しく言ってくれた。

 

その後、談笑していると、果物を取りに行った無邪気さん、そしてさらに後からやってきた色白さん、素敵な帽子さんの3人がビュッフェカウンターから一緒にやってきた。どうやら、色白さんが声をかけて、食事をとりながらお話したようだ。この時の、彼女の無邪気さんへの気遣いと優しさは相当なものだったと思う。さすがに食事は、隣のテーブルで取ったが、声をかけられた無邪気さんは、すっかり恐縮していた。

 

ホテルを出発する前、次々とお客様がロビーに下りてきた。「忘れ物はありませんか?」などと声をかけながらお迎えする。落ち着いてきたとき、大婦人さんが僕のところにやってきた。

「ツートンさん。今回の旅行はとても楽しかったです。天気も景色もよかったし、あなたの案内が最高にによかった。今度どこかいらっしゃる時はお誘いください。」

「ありがとうございます。」

僕は、丁重に頭を下げた。「上品で素敵な方だよなあ。本当に他人に説教なんてするのかなあ、想像できない・・・・。いい人だと思うんだけどな」と、考えながら。

少しすると、色白さんと素敵な帽子さんもやってきた。

「さっき、大婦人さんが来たでしょ?なにかありましたか?」

色白さんが心配そうに言った。

「いえ。とてもいい旅行だったと、お礼を言われました。それだけです。いいお客様です。」

「ならいいんだけど。昨日、私たち、昨日あの人の悪口いっぱい言っちゃったから。ツートンさんの大婦人さんを見る目が変わったらどうしようかと思って。ツートンさんには、とてもいいお客様に違いないのに。」

「はい。だから、いいお客様でした。」

「・・・そうですか。」

色白さんは、なんだか拍子抜けしたような表情で、でもほっとしたような口調だった。

「色白ちゃん、ツートンさんは大人だから。私たちより年上だよ。大丈夫だよ。」

素敵な帽子さんが、色白さんの肩を抱くようにすると、僕に無言の笑顔で頷いて離れていった。こんな気を遣ってくださるお二人もまた、いいお客様だった。

 

グループは、無事にコペンハーゲンを出発してヘルシンキで約2時間半の乗継時間を過ごした。

いよいよ旅も終りだ。お客様を免税店などに案内した後、空港の中のカフェでコーヒーを飲んでのんびりしていた。すると、色白さんたちが入ってきた。

3人で会話していると、さらに二人、グループ内の30代後半と40歳になったばかりの女性の二人組も入ってきた。この二人は、他のお客様と比べて異質な存在だった。グループの大半のお客様が、海外旅行はツアー専門と言う人たちだったが、この二人は、ふだんは個人旅行を楽しんでいたのだ。北欧は、個人で周るには時間がかかるから、ということで、今回だけはツアーに参加したそうだ。

だから、言葉はある程度できる。自由行動の時も、添乗員から情報を仕入れることなくスッと消えて、目的を果たしてくる。昼食はともかく、夕食は自分たちが前もって調べてきたレストランに食べに行って、グループとの夕食はキャンセル・・・なんてことも多かった。

団体行動を重んじる年配客の中には、それを「勝手な行動」として非難する人もいた。しかし、大半のお客様が言っていたように、「自分でなんでもできてうらやましい」が本音だろう。集合時間に遅れるなど、グループを乱しているわけではないから、勝手と言う言葉は、全く当てはまらない。

昨日の夕食時も別行動を取っていた二人は、色白さんが、席を立った件を知らなかった。ただ、チボリ公園に行くときに、今までと様子が違うのは感じていたそうだ。

「へー!そんなことがあったの。ひどいわね。」

とうとうそのことに話題が及んだ時、二人は色白さんたちに同情するように言った。

「私たちは、他の人たちとはあんまり関わらなかったし。結婚とかは、一回聞かれたけど、『してないです。誰かいい人紹介してくださーい。』って言ったら、それで終わっちゃったよ(笑)。あなたたち、他の人たちと、少し親しくなりすぎたんじゃない?よく気を遣うなあって思ったわよ。」

ここは難しいところで、学生時代から、ほとんどツアー専門で旅行してきた色白さんたちは、良くも悪くもグループ内で気を遣う癖があるのだろう。ご年配の方々の中には、若い人たちとの会話を楽しみにしている人がいらっしゃることも承知しているのだ。

「でもさあ・・・結婚はともかくね、一生懸命働いて、年をとってから旅行ってどうよ。あの人たちがしてきた苦労は分かるつもりだけどね。あんなこと言われたら、何も言えなくなっちゃうよ・・・。」

ふだんはクールな素敵な帽子さんが、珍しくため息をつきながら言った。

 

これに関しては、僕も彼女と同じ感覚だった。この北欧ツアーが催行された頃の、ご年配客の多くは、日本経済最盛期に仕事をこなし、その熱が冷める前に定年を迎えられた方が多い。若い頃はとにかく仕事をこなして、引退して、それからようやくできた時間と、一生懸命作ったお金で旅行を楽しまれている方が大半だった。そういうご自身の人生経験を良いと思い、若い人たちにも同じ道を勧めていたのだろう。

だが、僕が社会に出たのは、バブルがはじける社会の境目だった。色白さんたちは、おそらく最初の就職氷河期の頃に新卒だった人だろう。つまり、「これからどんどん社会が、経済が良くなる」イメージがない。そんな彼女たちは(いや、僕らと言ったほうが適当だろうか)、

「旅行は、できる時にしなきゃね!」

という気持ちで旅行している。少なくとも、このツアーの頃も含めて、現代においては、ほとんどの日本人が、その気になれば海外旅行をできる。そういう時代に、僕らは学生だったり、若い社会人だったり、中年だったり、ご年配だったりしているだけだ。

無邪気さんや姉御さんが、色白さんたちの年齢だったとき、その時代の年配者の誰もが海外旅行できる環境にあったかと言えば、きっとそんなことはないだろう。僅かな人々の娯楽だったはずだ。

彼女たちが、そこまで考えていたかどうかはともかく、「そんな年をとってからのことは分からない」というのは、心からの本音だった。

そう。そんな先のことなど分からない。2020年から2021年にかけて、コロナ禍という歴史に残る事態が起こるだなんて、誰も予測できなかったように。

 

カフェの外側の席では、コーヒーを飲んでいる大先生と大婦人さんの夫妻がいた。今でも非常勤で大学に通う大先生は、お土産をたくさん必要としていたらしく、ものすごい量の買い物袋だった。

まだ、免税店で精力的に買い物をされてる方もいらした。楽しそうだ。どの世代の方々も、自分たちなりの旅行を精一杯楽しまれていた。

 

お客さんとよく話はするが、お客さん同士の人間関係や愚痴が、ここまで耳に入ってくることは珍しかったので、思い出深いツアーになった。なんと言っても、これほど自分がお客様のことを分かっておらず、ことごとくタイミングが悪く、ダサかったのも、今となってはいい教訓になっている。

お客さん同士の人間関係が、ツアーの満足感に影響するかと心配だったが、アンケートにおけるお客さんの満足度は、ツアー担当者が握手を求めてくるくらい抜群だったので、それも記憶に残っている理由のひとつだろう。

 

ちなみに、この時に案内した旅行会社は、もうパッケージツアーを作っていない。かなりリピーター参加者が多い会社だったのだが、今もみなさんが、どこかの旅行会社で海外ツアーに参加されて楽しまれていることを祈って止まない。

 

余談だが、素敵な帽子さんとは、23年後だったろうか。プラハのレストランで偶然お会いした。相変わらず素敵な帽子を被られて、横には素敵なご主人もいらした。その時、色白さんが結婚されたことも聞いた。相変わらず親友だが、色白さんの転職で既に同僚ではなくなっていた。やはり二人とも、世の中の男性が放っておく女性ではなかった。

 

鋭い観察力を見せて、時々オーラをまき散らした姉御さんは、元裁判官だったそうだ。帰りの機内で聞いた。どうりで・・・以下略。

 

おわり

登場人物(詳しくは、エピソード③をご覧ください)

 

マスター・ツートン

このブログの筆者で、ストーリーの中の添乗員。タイミングは悪いし、気が利かないし、一生懸命だけが取り柄の昭和生まれの添乗員。

 

色白OLさん

とあることで、ツアー中涙を流したが、その経緯をビールを飲んで顔をピンク色にしながら熱弁中。

 

素敵な帽子さん

色白さんの同僚。帽子はファッションだけでなく、隠れ家になるとも教えてくれた。

 

姉御さん

この日の流れを預言者のようにぴたりと当てた。今回の登場名も預言者にするべきだった。マダム無邪気さんのお目付け役。

 

マダム無邪気さん

色白さんの涙のスイッチを押してしまった、無邪気で天真爛漫な60台後半。

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二杯目は、全員ラガータイプのカールスバーグを頼んだ。やはり飲み慣れたものが美味しい。

「あの、ひとつ聞きたいのだけど。」

美味しそうにビールを口に運んでいた二人は、僕の問いに、にこやかに「なんですか?」と聞き返してきた。

「『若いうちに旅行来れていいわね』って、食事中とか二人が揃ってる時に言われていたわけでしょ?でも、怒ってるのは色白さんだけに思えるのだけど。素敵な帽子さんは、その・・・平気だったの?」

「私には、これがあるので。」

そう言って、素敵な帽子さんはかわいらしいキャスケットを深くかぶった。

「こうして目深に帽子をかぶって、食事をすると、嫌なことは何も聞こえなくなるー。」

素敵な帽子さんは、数種類の帽子を使い分けていた。欧州では、女性が食事中に帽子を取らないのはマナー違反にならない(帽子の種類にもよる。ベースボールキャップはとるのがマナー)。

「こうやって、下を向いて食事をしていると、声は全部あっちに行くんです。嫌味にならない程度に、時々顔をあげて会話に入る。このツバの下は、とても安全な避難場所なの。」

「そう!ずるいの!!」

色白さんが、本気な顔で突っ込んだ。

「おかげで全部私のところに、嫌な話がくる。大変だったんだから!」

「色白ちゃんは、いちいち正面から言葉を受けすぎるんだよ。」

穏やかな声で素敵な帽子さんが切り返した。

「拒否反応は、話よりも態度が一番よ。言葉には返すことで反応するけれど、態度には察することで反応するでしょ?」

「むー・・・。」

なんとも言えない表情を色白さんが浮かべた。

 

「でもさ。無邪気さんたち大丈夫かなあ・・・。」

素敵な帽子さんが話を変えた

「自分たちが、悪かったとは思ってる。言い方が悪かっただけ、自分たちが若い頃に経験した苦労をわかってほしかったみたいなことも言ってた。まあ、大丈夫だよ。でも、あの一言だけで、あれだけ怒ったのには、姉御さんは違和感を感じてるみたい。」

「姉御さん、鋭そうだよね。他になにか言ってなかった?」

まさかこの筋書きを読んでいたとは言えず、それ以上は、何も言わなかった。

「まあ・・・でも、最後はこうやって全て話せてよかった。時間過ぎてもツートンさんが、あそこにいてくれたのはラッキーだったわ。これで、なにもモヤモヤせずに過ごせる。」

色白さんがほっとした顔で呟くと、またビールグラスを持って

「デンマークのビールっておいしいねえ♪」

と、相変わらずピンク色の顔で、ご機嫌に言った。

 

この一言のあとは、普通の飲み会になった。旅行の話、趣味の話。プライベートの話も出た。

二人のうち、一人には離婚歴があった。「結婚に勢いは大切だが、勢いだけだと失速した時に、またスピードに乗る手段を見つけるのが困難。」という名言を残した。

1人は、某外国企業に就職した彼氏に、「ついて来て欲しい」と言われて行けなかったそうだ。海外旅行は好きだが、「永住の可能性もあった。生活の拠点が外国になるのは考えられなかった。大切なことを、一度も相談せずにいきなり告白してきた彼氏にも不信感を持った」という。

30歳を過ぎて独身なら、男でも女でもなにかしら、恋愛や結婚で、心に傷を負っていて不思議ではない。やはり、初対面の大人に、結婚や子供の話で下手に突っ込むものではないなと思った。

一方で、この二人はとても魅力的なのだ。年齢が近い僕もそう感じていた。

素敵な帽子さんは、誰もが認める美人だった。物腰も柔らかく、男女に人気があった。

色白さんも清潔感があってかわいらしかった。礼儀正しいし年配の方の面倒もよく見ていた。バスで自分が入口のそばに座っていて、一番最後に年配の方が乗車すると、席を譲って自分が後方に行くなど、親切さに溢れていた。素敵な帽子さんが、

「海外に来る年配者なんて、体力ある人たちよ。私たちだって、精一杯働いて同じ代金を払ってるんだから、そんなに気を遣わなくても・・・。」

と言うくらいだった。そんな感じだから、食事の時も、傍目にはかわいがられているように見えた。いや、実際にかわいがられていたと思う。

敢えて言うなら、「この二人が結婚していないなんてもったいない」くらいの感じだったのだろう。その老婆心から、おかしな言葉が生まれて、あらぬ方向に進んでしまったとしたら、人間関係って本当に難しい。

 

「今回は極端だったけど、たまにいるのよ、ああいうこと言う人は。このことは、この場でおしまい!北欧は最高でした!旅行も楽しかった!だから心配しないでね♪」

 

威勢良く言った色白さんの言葉が僕を救ってくれたことは言うまでもない。

その後、飲み会は日が変わる直前まで、楽しく続いた。

 

それにしても、姉御さんのなんと鋭いことか。いったい彼女は何者なのだろう。この晩、僕らの行動、会話はすべて彼女の筋書き通りになった。

 

次回、最終回。

喪中なので、新年の挨拶は控えさせていただきます。

昨年は、たくさんの方々にブログを読んでいただいたことで、ここでは充実した日々を過ごすことができました。本当にありがとうございます。

2021年最初の投稿です。コロナの記録と記憶。正直、ここまで長引くと思っていなかったので、続編あらため2021に変えました。

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PCR検査は、「念のため」くらいのつもりだったが、いざ、陰性の結果が出てくると、いい意味で前向きになるものだ。今日、夕方出かけた時には、気が付くとほんの僅かなものでも密を避けていた。「せっかく陰性だったのだから、これからも気を付けよう」という気持ちが、こういった行動になったのだと思う。これからも感染するものか。してもさせないものか。

 

ということで、気持ちを切り替えて、久しぶりに日本で過ごす年末年始を満喫することにした。きっと、働いている間、こんなことは二度とないだろう(と願いたい)。後になって「コロナ禍の時の年末年始を楽しめばよかった」だなんて思いたくない。

まずは後泊。あ、添乗員のPCらしく「こうはく」を変換したらこれが出てきた。正確には紅白。途中で「ザワつく!」に何度か換えながらなんとか最後まで観た。なんか紅組の歌に好きなのが多かったけど、嵐が最後だって言うし、彼らに華を持たせて白の勝ちかな、なんて思っていたら紅組の大圧勝。個人的には、ミーシャが全部持っていった気がする。あの人の歌が、年内に聴く最後のポップスって素敵だ。

その後は、BSに換えて東急ジルベスターコンサート。ベートーベンの「運命」の終わりにカウントダウンを合わせたのには感動した。とりあえず年明けの瞬間には満足した。

 

初日の出は、寒いからパス。朝起きて羽鳥さんのモーニングショーを見る。おっと、高校ラグビーが始まってる。あ、BSでは2019ラグビージャパンの活躍が放送されてる。え?サッカー天皇杯決勝?

 

ああ!芸能人格付けが始まってる。おっと、でも7時になったらウィーンフィルのニューイヤーコンサート観なきゃ。え?その後は「相棒」!?

なんだなんだ?元旦て、こんなに忙しいのか。日頃、みなさんはこんな忙しい年末年始を過ごされていたのか。添乗に出ていたほうが楽だったぞ。計画を立ててしっかり消化しないと大変なことになる。明日は、朝から箱根、昼はラグビー大学選手権、夜は映画「ラ・ラ・ランド」だ。段取り良くいかねば。

 

だから、連載物は明日からの再開になったとさ。

 

ということで、今年もよろしくお願いします。元旦の都内における新規コロナ感染確認者数783

今朝方、940分の予約でPCR検査を受けてきた。案内では、翌日に結果をメールで通知ということだったが、朝早くの予約のせいだろうか。本日18:46に結果が通知された。無事に陰性だった。

 

予約はネットからしかできない。当日は、入口から連なっている列に加わる。

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予約通知は必ず受付で提示を求められるから、大切に保存しておこう。オフィス入口で、アルコール消毒。検温はなかった。ただし「発熱されている方は、検査をご遠慮ください。」とあった。これだけ見たら、無症状者のみが対象のように見える。
順番が来たら、キットが渡されて、いよいよ検査。と言っても容器に唾液を1.5ml入れるだけ。それがけっこう大変で、唾液を1.5mlを出すのに4分かかった。検査に3分程度というのはこういうことなのか。問診、診察などは全くない。ただの唾液の提供だ。

 

ただし、検査結果の正確性と完全性は必ずしも100%保証するものではないなどの注意書きもある。検査を検討中の方のために、念のため全文を載せておこう。
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検査結果を知らせるメッセージと、注意事項。要約すると、油断大敵。


とはいえ、「陰性」という結果は、想像していたよりも、遥かに自分の心を軽くした。「我慢が実を結んでいる。これからも予防に努めよう」とするモチベーションは、間違いなく上がる。

料金は税込み3,190円。こういった状況で、自分の健康状態に無関心な人はいないはず。興味のある方は受けてみるといい。

 

「陰性」といういい知らせで一年が終わればいいのだけど・・・

東京の新規感染者数 1337人。初の1000人超え。

国内の新規感染者数 4118人。初の4000人超え。

よりによって大晦日でこの数字。第一波が収まった時には、予想もしなかった。まだまだ厳しい状況が続きそうだけど、「負けるものか!」と誓って2020年を終えよう。

 

なお、実父が3月に亡くなっており、現在喪中です。新年の挨拶は控えさせていただきます。
ブログは書くけど。

登場人物(詳しくはエピソード③参照)

 

マスター・ツートン

このブログの筆者で、ストーリー中の添乗員。

 

色白OLさん

ツアー中、とあることで突然涙を流した。

 

素敵な帽子さん

色白さんの同僚。

 

無邪気さん

自分が色白さんを泣かせてしまったと、この時点では思っている。

 

大婦人さん

言葉に強さを持つ、添乗員の頼りになる味方。だが・・・

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僕が見えてないところで(鈍くて見えなかったのかもしれない)、そんなことがあったとは。

ただ、彼女たち曰く「ツートンさんの前では誰もそんなこと言わない」とのことだったが、結婚とか孫とかの説教話は、僕も食事中にお客様から振られていた。僕の場合、仕事柄、日常茶飯事であるから、二人よりも慣れているせいか、なんとも思わなかったのか。それとも、男性と女性では感じ方が違うのだろうか。

 

「私たちに対してと、全然言い方が違うもん!あんな優しい言い方なら、私たちだって腹は立ちません。だって、ツートンさんは添乗員ですから。普通、敵にまわすようなことは言わないでしょう。よほど腹が立っていない限り。」

そういうことか。それにしても、そこまで腹の立つ言い方ってどんなのだろう。想像がつかない。

「あとはね、自覚はないかもしれないけど、ツートンさんはマダム受けします。だから別の意味でも、お客さんのほうが嫌われたくないかもしれない。絶対に得してると思います。」

こんなこと言われても、反応しようがない。マダムたちに特別嫌われてるとは思わないけど、得してるかどうかなんて分からない。他の添乗員と見比べる機会などもないし。

「特にうるさかった人っていらしたのですか?」

これを質問すると、それまで静かに見守っていた素敵な帽子さんも身を乗り出して、二人で声を揃えて言った。

「大婦人!!」

「大婦人・・・大婦人さん!?」

しっかりと頷く二人。ショックだった・・・。だって、大婦人さんは、空気を読めない夫・大先生の暴走をことごとく止めてきた、少なくとも、僕にとってはベリーナイスなマダムだった。

「私たちには最悪でした。悪人とは言わないけれど、私たちが、このツアーにいるべきではないみたいなことを、何度か言われました。結婚とか子供の話の流れで。」

「いくらなんでもそこまでは・・・」

「はっきりそうは言いませんよ。でも、私たちがそう受け取るようなことは言いました。」

素敵な帽子さんが無言で頷いた。僕の表情を、観察しながら色白さんは続けた。

「ツートンさんにとってはいい人だったと思います。そこは気にしないでください。贔屓にしてくださるお客様は大切ですから。でもね、」

「・・・でも?」

「時々、ご贔屓にもほどがあるというか、集合時間ギリギリに来た人に『ちゃんと時間前に来なかったらだめよ。ツートンさんに迷惑でしょ?』なんて言うんですよ。他の方に迷惑とかじゃなくて、『ツートンさんに迷惑』だって。時々みんなで言ってたんですよ。『早くしないと遅れるよ。大婦人に怒られるわよ!』って。まさに影の支配者!」

「嘘・・・」

「ほんとですって!()

他にも何かうるさく言ってきたお客様は、ツアー最初に大婦人さんと仲良くなったご婦人たちのようだ。名前を伺って、あるシーンが頭に浮かんできた。

ディナー時、色白さんが席を立った時、しまったと落ち込んでいた無邪気さん。その後、何人かが、彼女のところに慰めに来ていた。その時のメンバーと、話の中で色白さんたちから聞いたメンバーが、まるっきり重なった。雰囲気を壊す原因となった無邪気さんにどうして皆そんなに優しいのだろうと不思議だったのだが、

「無邪気さん見て、自分たちが言ったことを思い出して『しまった』と思ったんじゃないですか?」

という、色白さんのご指摘通りだったのか。ということは、あの時、ご主人の暴走を止めた大婦人さんが、複雑な表情をしていたのも、そういうことなのだろうか?(エピソード③参照)

 

「ねえ、じゃあさ、あの時は別に無邪気さんに腹を立てていたわけではないの?」

「ぜーんぜん!ろくに会話もしてないし、あんな一言だけで怒るわけないじゃん。変だと思わなかった?」

気がつくと、僕らはお互いに敬語を使わないようになっていた。

「いや、だから泣くほどのことではないと思った。」

「あの日、ホテルにチェックインしたに、誰かから『若いうちに外国に来れていいわね』みたいなこと言われたの。それ自体は、嫌味じゃなかったのかもしれないけど、なんかもう拒否反応おこしちゃって・・・。それが冷めないうちに、無邪気さんにあんなこと言われちゃって。」

色白さんはバツが悪そうに言った。

「無邪気さんはね、たまたまスイッチ押しちゃっただけなの。」

「でも、発言自体は失礼だと思うけど。僕は、それに腹を立てたのかと思った。」

「無邪気さんは、かわいいよ(笑)」

素敵な帽子さんが喋り始めた。

「そうそう♪あの人、子供じゃん。天真爛漫になんでも思ったこと言うだけ。私たち、姫って読んでたの。姫様が席におつきあそばされました。姫様は、お肉がお嫌いであらせられるご様子です。・・・みたいなね(笑)」

色白さんが続く。

「空気を読まないって、悪く言う人もいたけど、私たちは実害を被っていたわけじゃないし、あそこで怒らなくてもよかったのよぉ・・・。別の人の時にキレればよかった。あれじゃ弱い者いじめだ・・・。」

「素敵な帽子さんは、色白さんを追って部屋に帰る時、『気にしないで』って言ったでしょ?あれは本心?」

「うん、まあ、ある意味(無邪気さんにとって)とばっちりだっかからねえ・・・。二人で部屋に帰ってから『しまった!やばい!』状態だった。早くフォローしなきゃって。」

「すぐにフォロー入れたじゃん。もう大丈夫だよ。」

「そうなんだけどね。さっきの集合もね、本当は先にツートンさんに経緯を報告しようと思ったのよ。心配してると思って。だから、私たち、早く集合場所に行ったでしょ?でも、先に無邪気さんたちがいるんだもん。」

「そう言えばそうだね。」

「あの時、ツートンさん、私たちに気づいて、こっち来てくれないかなって二人で話してたのよ。『ディナーを途中で帰っちゃったんだもん。“大丈夫ですか?”くらいのフォローには来てくれるよ。』って話していたの。」

「え?」

集合時にエレベーターから降りて、なにか話している二人の姿を思い出した。

「でも、来てくれないんだもん。いつになっても、無邪気さんたちと話していてさ。このままだと、みんな来ちゃう!とりあえず、無邪気さんだけにでもフォロー入れなきゃ!って、それであの時謝ったの。」

「・・・ごめん。いや、申し訳ありません。目の前で落ち込んでいた無邪気さんばかり気になっちゃって。完全な片手落ちでした。いや・・・本当に気が利かなかった。」

「まあ、大丈夫。今、こうして話してるし。おかげで、こうして本場のカールスバーグ飲んでるし。」

色白さんが言うと、二人はビールグラスを手に持って乾杯のポーズをとった。

「ツートンさん、二杯目はごちでーす。」

帽子のツバを軽く上げながら、素敵な帽子さんが笑顔で言った。

 

続きは年明けに

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