今回は、特に長い話を読んでいただいて、どうもありがとうございます。
途中から、どんどんアクセスが伸びていったので、それに励まされて、書き続けることができました。
知り合いの方々から、いろいろな感想をいただきましたが、念のため申し上げておきます。
今回の話は、事実に基づいたフィクションです。駒形敬は、僕ではありません。ある程度、僕の添乗哲学を入れてはありますが、僕そのものではありません。思川葉月も、モデルはいますが架空の人物です。会いたくてもいませんから、ご注意ください。なお、外見、添乗のやり方、話し方にそれぞれモデルがいます。
お客さんたちが次々に倒れていく様子と、花崎が離陸直前に帰国便から降機を命じられるシーンは、実際にあった事柄を書きました。また、現地の医師たちの診察の様子や言葉についても事実です。日本の医療に関わる人たちからすると、考え難いこともあるらしいのですが、それもまた事実です。
ただ、それらに関わる人物の設定は、当時の関係者が読んでも不快感にならないように、大幅に変えてあります。話の流れも変えてあります。
一方で、フィクションだからこそ描ける部分もあり、描写の幅は広がった気がします。
この話には、原作に当たるノンフィクションがあり、それをお読みになった方々にとって、この連載は、まったく違うものになっていたと思いますが、それは、描写の幅のせいだと思ってください。
人物と話の設定、特に人物設定には苦労しました。例えば、会話の中で、「この人がこれを言ったら、キャラが変わってしまう」ということに気付いて、丸々話を書き直したこともあります。話の回収にも苦労しましたし、あえて回収しなかったものもあります。
楽しかったのは、登場人物たちが、頭の中で会話を始めた時でした。表現ではなく、本当に会話を始めるのです。駒形、思川、イスカンダルや渡良瀬、大平夫人は特にお喋りで、いつまでも話が続いて、気が付いたら4ページくらい進んでしまい、
「いつまで喋ってるんだ、お前たち。」
と、思わず怪しいひとりごと言いながら、笑ってしまったこともありました。その後、削るのに苦労しましたけどね。
話をまとめるのに参考にしたのが、名作漫画になった「鬼滅の刃」です。単行本を大人買いして読んだのですが、時々設定秘話が出てくるんですね。設定したけど本編に登場しない話、人物がたくさんあることが分かり、ストーリーを作るとはそういうことでもあるのか、ということを学びました。
そう思ってから、頭に浮かんだものは、全て書いて、消さずに残すことにして、使わなかった部分は、読者に見せない自分だけが知っているシーンとして留めています。
それらの中には、ぜひスピンオフとして書きたいものがあり、明日からは、それを少し紹介したいと思います。
明日は、ロンドンに残った思川と花崎のお話です。
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