日曜日の朝、サンデージャポンで、GOTOトラベルについての議論が行われていた。

話したがりの出演者が、言いたいことをバンバン言って、「いろいろな感じ方や考え方があるなあ」で終わってしまうことが多い番組なのだが、この日は珍しく議論が繋がっていた。

お医者様が、薄口政治評論家に

「医者の立場としては、GOTOキャンペーンを決して推奨することはできなかった。でも、薄口政治評論家さんは、『これは消費者にとっては、とてもラッキーなものであるから活用すべき』と言い続けた。感染が収束していない中、それはいかがなものだったか。」

確かに。だが、薄口政治評論家も負けてはいない。

「7月から行われたキャンペーンで、全国で救われた業者や観光従事者が、どれほどいたことか。それを忘れてはいけない。」

さらに付け加える。

「新型コロナは、今年が初めての流行だからデータはないが、インフルエンザや肺炎、その他の呼吸器系の疾病は、昨年よりも遥かに患者数が減っている。マスクなどの対策で効果は出ているのではないか?他を見ないで新型コロナだけを取り上げて物を言うのは、『木を見て森を見ず』という感じがしないでもない。」

これはこれで正しい。そこにすぐ、薄口さんの師匠という元役人の方が双方にフォローを入れた。

「それは確かにそうだ。7月からこのキャンペーンは始まっているが、すぐに感染者が増えたわけではないから、この政策だけを悪くいうのはどうかと思う。ただ、寒くなってきて、感染のしやすさが季節性のものであるかもしれない。そう考えると、ふだんの生活と共に、このキャンペーンも、一時的に見直すべきなのではないか。」

確かにその通り。他にも、いろいろな意見が飛び交ったが、いい議論だったと思う。結果的に「寒くなってきて、感染者が増えてきたから、一時的に見直すべきかもしれない」という論調になった。ニュアンスとして「やはりGOTOトラベルはだめだ。全面的に中止すべき」という極端なことを言う出演者はおらず、ほっとした。そうなってしまったら、仮に一時的な中止が実施されたとして、再開のハードルがグッと高くなってしまうような気がする。

 

急に国内添乗の仕事が忙しくなった。今は、頭の中にいろいろなものが浮かんできて、書いて書いて書きまくって、様々な事を残しておきたいのが、ただでさえ慣れない仕事が忙しくなると、なかなか時間がない。昨日、佐渡から帰ってきて、明日から島根と鳥取に出かける。

 

佐渡では、旅行を楽しみながら「こんな時に旅行していいのかな?」と葛藤を抱えながら旅されていた方がいらしたようだ。明日からの旅でも、きっとそういう方はいらっしゃるだろう。僕の取引先では、まだクラスターなどは起きていない。そして、これからも起こすまいと、みんな必死に頑張っている。

現地ホテルや旅館の感染対策も厳しくなっている。「こんな雰囲気であるなら、旅行などするのではなかった」と思われないように、お客さんの心に寄り添っていこう。

 

ツアーが出る限りは、ひとつひとつのツアーを、いい旅にしていくしかない。一時的に、また旅行が止まるかもしれないその日まで。

 

「史上最悪の盗難事件」の連載は、27日に再開します。