前回の続き。記事の内容は、日本からEU,またはシェンゲンへ渡航する場合のもの。

まず、EU全体でコロナワクチンパスポートの提示を同様に求めらるならば、それは問題ない。パスポートを持っている人は各国に入国できて、持っていない人は入国できない。それだけだ。現時点では、これだけを想像している人が大半だと思う。

ところが、EUの対応は、少々わかりにくいところがある。現在、全体としては日本からの入国を原則認めていないが、実際の細かい対応は、域内の国々にまかされており、原則入国を受け入れない(例外的入国の条件と措置はある)国々と、PCR検査などの条件を満たせば入国後にある程度自由に動ける国がある。(外務省の安全ホームページによると、クロアチアでは、入国48時間以降にPCR陰性の証明があれば、観光さえできることになっている)

 

そういったことをふまえると、ワクチンパスポートの扱いも、国によって少々変わってくるのではないかと想像できる。おそらく、制度が開始される時期は同じでも、緩和、停止される時期は国によって異なる。

それによって、どんなことが生じ得るかというと、これについては前回紹介したイエローカードを用いて、同じ国を旅する場合時でも、カードが必要な時と不要な時がある例を挙げたい。

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写真の中の右上。日本からの行先はケニア。黄熱リスク国ではあるが、日本から渡航する際は、黄熱病注射は推奨されているものの、義務ではない。乗り継ぎ地のドーハも同様だ。このルートなら、イエローカードなしで、ケニアを訪問できる。

僕は、上記とは別のルートで、ケニアの仕事をしたことがある。その時のルートは以下の通りだ。

日本→南ア→ケニア→南ア→日本(日本から南アへは香港乗り継ぎ)

このコースは、南アを拠点にしてケニアに飛んで一週間滞在して、南アに戻り、ケープタウンなどの観光を楽しんで帰国するルートだった。ポイントとなるのが「南アを拠点にして」というところだ。ここは、自国民、外国人に関わらず、南アからケニアに渡航して戻ってくる全ての人々に対して、漏れなくイエローカードの提示を要求する。

行先が同じでも、ルートによってイエローカードの要不要が変わるいう好例だ。

 

これと同じことが、ワクチンパスポートが正式に制度化されたEUでも生じると思われる。

例えば、ワクチンパスポート所持を条件に日本人の観光客を真っ先に認めたイタリアが、他国に先駆けて制度を停止したとする。そうなったら、直行便でその地へ向かう場合に限り、アレルギーなど健康上の問題が原因で接種できない人々も、旅できるようになる。

しかし、ドイツやフランスなど他国で乗り継いでイタリアに入る時、乗り継ぎ地がまだ制度を停止しておらず、ただのトランジットであってもワクチンパスポートの提示を求めるとなったら、イタリアの制度とは関係なく所持しなくてはならない。

また、パッケージツアーでは、ドーハやドバイといった中東経由でのヨーロッパツアーもある。行先が廃止しても、これらの乗り継ぎ地の扱いはどうなるのか。イエローカード同様に、ワクチンパスポートは、出発国と訪問国だけの問題ではなくなる可能性が強い。

 

ワクチンを接種できる人は問題ない。どんな時でもワクチンパスポートを所持していればいい。しかし、、健康上の問題で受けられず、ワクチンパスポートなしで旅を楽しめる訪問地を探している人は、ルートも慎重に決めないといけないことになるだろう。

旅行会社は、パッケージツアーを作る際、パンフレットに、「このツアーではワクチンパスポートは不要です」または「必要です」という注意書きを記載しなければいけなくなるかもしれない。

しつこいが、念のため言っておく。これは、ワクチンパスポート制度が導入されて、しばらく経ってからのことを予想している。イタリアのみが、急にあのようなことを言いだして、いろいろ考えた。

 

添乗員の中にも、いよいよ仕事を始めようとしていたのに、体質でワクチンを受けられず、またもや仕事を止められてしまう者が出るのだろう。

ワクチンとワクチンパスポートは、僕らにとって大きな希望だ。だが、大きな希望の中には、厳しい現実も待ち受けていると思ったほうがいい。

 

※なお、現在、一部の国が入国の条件にしているPCR検査が、ワクチン接種できない外国人たちに対する観光旅行の許可条件に当てはめられる可能性は低いと思う。少なくとも、全体的な傾向になるとは考え難い。ワクチン接種は、間違いなく予防の手段だが、PCRは、その時点で陰性の可能性が低いということを示しているだけで、予防の意味は全くない。

現在、PCRを条件にしている国の中には、入国後の一定期間の隔離そとの後再度PCRを義務としているところもある。一日だけのイベントに参加するならともかく、1週間から10日間の旅行が対象になった時、たった一回の検査が、ワクチンパスポートと同様に扱われることはないだろう。

 

とまあ、いろいろ想像、いや妄想してみたが、まだ先の話だ。それに考えてみれば、慎重な日本政府が、観光が目的の一般旅行客に、簡単にワクチンパスポートを発行するとも思えない。出すとしても、そのあたりの混乱を見極めてからだろう。

ワクチンには、大いなる希望を感じるけど、旅は快適にしたいものだ。
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