この前のツアー中、ある温泉ホテルでの夕食前、いきなり
「福山正治さんに似てるって言われませんか?」
と、自分よりもやや年上の仲居さん三人組に言われた。
言われたことは、あるにはあるのだが、発言主は常に75歳以上の男性限定で、発言時に、すぐそばにいる福山ファンらしき女性からは、いつも真っ向から否定された。別に自分でそう言ってるわけでも思ってるわけでもないのに、なんでそこまで否定されなきゃいけないんだというくらいに。

まあ、年齢の高い男性の目からはそう見えるのであろう。そもそも、僕はイケメンの部類ではない。

ところが、今回は自分と年齢が近い女性からの発言。今思うと、少し舞い上がっていた。はい。嬉しかったです。素直に。

しかし、やがて現実に気づく。僕は、それまでずっとマスクをしていた。仲居さんたちは、僕の隠れた顔の、鼻の上の部分しか見ていない。
お客さんの誘導を終えて、添乗員用のテーブルについた。この日に限って、「マスクとりたくないなあ」などと思いながら。
でも、そこは仲居さんたちもプロフェッショナル。「マスクをとってもいい男ね」などと言いながら、接客してくれた。しかし、僕は気付いていた。彼女たちの、僕に対する関心が薄れたことに。僕へのチヤホヤ度数が格段に落ちたことに。

別に、イケメンに見せようとしてマスクしているわけではないのに、なんか悔しい。
同時に、カフェやレストランで、マスクを外した女性に対して何度もがっかりした経験があるけれど、彼女に対して失礼だったことにようやく気付いた。この場を借りて、お詫びします。どうもすみませんでした。

みなさん、マスクをしている人を褒めて優しくしてしまたら、外した後も最後まで優しくしましょうね。

それでは素敵な日曜日を。「史上最悪な盗難事件」の再開は、あとちょっとお待ちください。