マスター・ツートンのちょっと天使な添乗員の話

自称天使の添乗員マスター・ツートンの体験記。旅先の様々な経験、人間模様などを書いていきます。

タグ:大学受験

いつか、このブログで書いた通り、大学入試の試験官補助の仕事をいただいた。

2つの大学で6日間行うことになっていたが、先週から始まり、既に4日間を終えた。

引き受けた直後は、試験官をしているうちに、なぜか自分が受験しているという間抜けな夢を見たが、さすがに現実の試験場は、緊張感に溢れており、間違えて受験生の席に座ってしまうようなことはなさそうだ。

 

大学入試となると、本格的に将来を見据えている受験生もいるから、真剣度が違う。部活のように「精一杯やったから悔いはない」などでは済まされないことだってあるだろう。

そんなことを考えて、必死に答案用紙に書き込んでいる彼らを見ていると、その場で

「全員合格!」

と声をかけてあげたいくらいだった。

 

開門とともに入ってくる受験生たちは、みんなマスクを着用していた。食事は持参。学食は感染対策を理由に営業していなかった。休憩時間は、必ず試験場の窓を開ける。今日のような寒さであっても、換気を促すためにそうしなければいけない。室内でコートを着て寒さをしのぐ受験生もいた。試験が終わって退出する時は、密を避けるために時間差。大学によっては、全員退出するまで3040分かかるところもある。

あまりにも、通常の受験と違うような気がした。

 

ふと、メディアで盛んに流れた、共通試験での鼻出しマスク男のことを思い出した。

彼自身のことは、ここでは触れずにおこう。でも、彼と同じ教室で試験を受けた受験生は大丈夫だったのだろうか。一時的に、教室から離れるように指示されたくらいの騒ぎだったと聞く。メンタルの問題で、試験に支障が出なかったことを願うばかりだ。

国公立大学の中には、コロナ禍の影響で、二次試験を中止にするところも出てきている。その場合、一次試験の結果がすべてだ。あの騒ぎの現場には、そんな大学を志望校に考えていた人はいなかったのだろうか。心が痛む。自分の受験時代と重ねるとなお痛む。

 

すべての受験生が、このコロナ禍を乗り越えて、大学生活を迎えられることを、心から祈る。

そして、コロナ禍が明けて、学生生活を謳歌して、お金をためたら、僕のツアーに参加して欲しい。

きっと、思い切り楽しませてあげるから。

地元で自営業を営んでいる弟が、用事があって実家に立ち寄った。「今日の午前中は、痛いところに立ち寄ってきた」というので、どこに行ったかと思ったら、歯医者と税務署だった。それはさぞかし痛かったに違いない。

テレビでは、高校ラグビーが熱い戦いを繰り広げていた。準々決勝以降は好ゲームが多く、本当にエキサイティングだ。今日の一試合目なんて、せっかくつくった焼きそばが、完全に冷めてしまうくらい、目が離せなかったし口も動かせなかった。

 

そんな時、本日の(15日)の東京の感染確認者数の速報が入った。1278人。

 

ここまで来ると、落ち込むよりも、先にいろいろ考えてくるようになってくる。支援金をもらえるのは2月まで。緊急事態宣言が出されたらGOTOキャンペーンの再開はなし。宣言の主旨は「動くな、人と接するな」だから、仕事の内容は限られる。またもや添乗は、当分の間見込めないだろう。

 

考えていたら、派遣元から連絡が来た。内容は仕事の依頼。「大学受験の試験官やりませんか?」

時期は2月。まだ支援金がもらえる時期。働いた分は、日数で計算され、その分は日割り計算で支援金から差し引かれる。試験官の時給は安く、おそらく、仕事を受けたほうが手取りのお金は下がる。

でも、わずかな金額だ。派遣元だって、僕ら同様に苦しい。添乗の仕事がなければ、他で売り上げを上げないといけない。このシリーズで何度もで書いているけれど、派遣元がなくなったら、僕らの帰る場所もない。

 

結局受けた。「いい奴だなあ、僕って。」などと思いながら自分を励ましている。

きれいごとでなく、受験生を応援したい気持ちもある。こんな時に、本当に大変だと思う。でも、政府が「受験は予定通り」と言ってくれてよかったね。コロナ感染者で、若者が多いのが気になるが、感染したおかげで浪人なんてことになるなよ!

将来、立派な海外添乗員・・・いや、社会人になれるように頑張れ!

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