今回は、めずらしくあとがきをつけます。
海外のパッケージツアーで、盗難事件はよく起きます。お客さんの盗難事件を経験せずに業界を去っていく添乗員は、まずいないでしょう。その中にあって、今回は、車上荒らしによって参加者全体が被害に遭われたという、非常に稀なケースでした。(車上荒らし自体は時々聞くのですが、日中、それもグループ全員が被害者という話は、聞いたことがありません)
この事件の流れの中であったことを、読み手に伝えるにはどうするか、書きながら必死に考えました。事件を把握した瞬間の自分自身の心理、お客さんの動揺と、一息ついてからのそれぞれの反応、警察の対応、ガイドさんの頑張りなど、すべて丁寧に書かないと伝わらないと思い、たった一週間のツアーの話が、けっこうな長編になってしまいました。
上司さんから、帰国後対応時のお客様の落ち着いた様子を伺った時は、少々信じられなかったのですが、現地滞在中に、日本サイドと密に連絡を取って、正面から対応して、どんなことを言われても逃げなかったのが功を奏したのだと、今シリーズを自分で読み返して強く感じました。現場での丁寧な対応の重要性もあらためて大切だと思いました。
登場人物紹介を一切しませんでしたが、まだ、トラブルが起きてから、年数が経っていないため、なるべく登場人物が特定できないようにするためです。会話の内容も、時には、参加している中の誰が言っているのかわかりにくい部分もあったと思いますが、それもまた意図的です。逆に言うと、人物を特定できなくても、話を追えるように工夫したつもりです。
ふだん、ツアー参加者が目にしない約款などについても踏み込んで書きましたが、今後の旅行の参考にしていただきたいと思います。
なお、同じようなトラブルが起きたからと言って、どの旅行会社も同じ対応をするとは限りません。特に、専用車代を旅行会社が払うことは、通常ならまずないことです。特別保険対応も、絶対とは言えないと思います。
個人的には、どの旅行会社もこれくらい親切であればな・・・と願っていますけどね。
一言付け加えるならば、トラブルがあった時、このブログを旅行会社の社員に見せて「対応を見習え」などと言わないようにお願いします。そんなことをされると、僕の命が狙われます。
それではみなさん、メリークリスマス!
次に書くことは、もう決まっております。また明日!