いきなり関係ない話だが、今年の箱根駅伝の展開は劇的だった。駒沢大学の大逆転劇は、しばらく記憶に残るだろう。

その影に、もうひとつ劇的な結果があった。青山学院の復路優勝だ。往路で低迷した際、原監督のコメントが、紙面に小さく載っていた。

 

「復路は優勝を狙う。」

 

その通りになった。復路だけで見たら、二位の駒沢とはたったの二秒差での首位。両校が一緒に走っているわけではないから、見る側に実感こそないが、影のデッドヒートだった。さすが経験豊かな強豪チーム。ただでは終わらない。意地を見せると同時に、往路での悔しさがさらに増したであろう。それを生かして、来年はさらに強いに違いない。復路の優勝は、往路と違ってランナーが先頭でテープを切らないから、人々の記憶にも残りにくい。だから、ささやかながらここでお祝いしよう。青山学院、復路優勝おめでとう!

往路優勝=創価大学 復路優勝=青山学院大学 総合優勝=駒澤大学

全部顔ぶれが違うってのも、珍しくていいものだ。

 

ところで、先日ここで報告した通り、民間のPCR検査で陰性が出たので、帰省を決行した。すぐには動かず、13日の昼過ぎの電車に乗る。ふだん、都内で暮らしてる時もそうだが、いや、コロナ禍以前からそうだが、動くときは人がいない時に限る。結果、有料特急の1車両が貸し切り状態となった。特急料金860円で貸し切りだから、これはありがたい。東京に戻る時も、時間を選んで帰ろう。
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筆者が乗った浅草発急行りょうもう号の車内。足利市駅に着くまで貸し切り状態だった。もちろん、他の車両にはお客さんがいましたよ。
 

実家は、築100年以上の木造家屋なのだが、冬は寒い。とてつもなく寒い。どこをどうやっても隙間風を感じる。父親が亡くなり、母親は入院中なので、家には叔母が一人きり。検査が陰性とはいえ、前回の帰省と変わらず、隔離生活で過ごす。

喪中での年末年始帰省だから、正月らしいことはなし。仏壇に線香をあげて、庭にあるお稲荷さんの社を掃除して、スーパーに買い物に行った。人が少ない時間に行ったつもりが、そんな時に限って知り合いに遭う。というか、人が少ない時に知り合いがいると、広いスーパーでもすぐに見つかる。「見つかる」と感じるということは、後ろめたいことがないつもりでも、遭いたくないなにかが、自分の中にあるのだろうか。

別に冷たく接してくるわけではないが、どこかごきちない感じがした。話の流れの中で、検査が陰性だったことを伝えると、「あ、そうなんだ。よかったですね。」と、いう言葉とともに、急に距離が縮まったような気がする。たぶん、気のせいじゃない。

様々な人と、お互いに精神的衛生を得られるのであれば、PCR検査は、定期的に受け続けようと思った。そのほうが、検査を気にして、日常の生活において気を抜かずに気を付けるようになるし、受けるからには、「陰性という成果」を求めるようになる。国内添乗を始めて、多くの人と接する機会が増えた自分にとっては、決して小さな成果ではないし、なにより心理的な印籠になる。

 

そうやって、前向きな気持ちを、あらためて作ろうとした時、首相の会見が始まった。

いよいよ緊急事態宣言が真実味を帯びてきた。そうなったら、GOTOトラベル再始動も絶望的だ。首相も記者からの質問に対して、そう答えている。

「遅い。11月にやるべきだった。」

との声が聞こえる。でも、国内旅行業が一瞬でも生き返り、わずかながらでもコロナ禍を生き延びたあの状態を見たら、僕らにとって11月の宣言はありえなかった。たとえ、後々の検証で、それが正解だったとしても、今の僕らには考えられない。始まる時期がいつでも、旅行業界にとってそれは、暗黒期間の始まりだ。

一方で首相は、二月末からワクチン接種が始まると明言した。今は、この成果を祈りながら、次の行動を考えるしかない。

不安だなあ・・・。

 

東京の感染確認者数 28143816、本日4884。重症者数は過去最高の108