チャムルジャモスク。2019年に完成した新しいトルコ最大のモスクは、イスタンブールのアジアサイドに一際目立って建っている。

日本発着のトルコツアーで、アジア側の観光が組み入れられたものは珍しいが、今回はその機会に恵まれた。

バスを降りて階段を上がってモスクが目の前に現れた時、その大きさと美しさに感動した。
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僕は、確実に仕事中であることを忘れた。お客さんの存在さえ忘れていたかもしれない。

ハッとして我に返る。見入っていたのは自分だけではないようだ。一瞬、お上り状態になっていた様子は見られずに済んだ。というかそんなことはどうでもいいよな。なに自意識過剰になっているのだか・・・。
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外壁のファサードに向かって行くと、ミナレットや本堂は隠れて今度は立派で美しい門に目を引かれる。そこをくぐった時に再び姿を現すモスクに再び感動してしまった。
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そこにあると分かっているのにこれほど感情を揺さぶられるとは。

このモスクは、現大統領エルドアンのイスラム回帰政策の一環として建てられた。あの方が国のトップになってからビールやワインといったアルコールのお値段が跳ね上がるしアヤソフィア寺院の見学エリアが制限されるし、観光屋にとっていいことはあまりないのだが、この建築物は別だ。本当に素晴らしい。

つくづく思う。この手の建築物は富と権力がないと生まれない。お上が鶴の一声で「やるぞ!」くらいの感じじゃないと。

そのイメージはよくないかもしれないが、こういう場所に足を運ぶと多少は考えが変わる、大理石や漆喰の芸術的な加工。心を落ち着かせる光を放つステンドグラス。空に突き刺さるような6本のミナレット。いったいどれほど優秀な建築家や職人たちが使われたことか。彼らが腕をふるまえる仕事をこのモスクは提供したのだ。関わった人たちにとって、この壮大な建築は誇らしいに違いない。
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内部は大きさを感じさせながら装飾は繊細。観光客の入場は制限されていないのに、それほど多くない。ブルーモスクなどよりも環境は遥かに優れている。
度々非難の対象となる富と権力だが、文化を守るという点では大切な役割を果たしている。いつかアブダビのグランドモスクを案内した時も、その荘厳さをかみしめながらお客さんが言っていた。

「お金が全てではないけれど、こういうの見ちゃうとお金は大切よね。」

本当にそう思う。

チャムルジャモスクもグランドモスクも、それぞれの国レベルで誇りにされるであろう21世紀の建築だ。日本で、或いは世界中でこれに匹敵する21世紀の建築は生まれるかな・・・と、ふと考えた。

チャムルジャモスクを訪れる観光客は、イスタンブール市内にあってブルーモスクなどのヨーロッパ側のモスクや観光施設に比べるとまだまだ少ない。その分、広い空間と装飾を思う存分楽しむことができる。混雑が始まる前に組み込まれたツアーを探してみるといい。

いよいよイスタンブールもアジア側を楽しむ時代が来た!
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敷地内の公園から見た様子も素晴らしい。また大理石が敷き詰められた中庭も圧巻。
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丘の上から眺めたヨーロッパサイドの摩天楼
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ヨーロッパサイドから見たアジアサイド。街の上に威厳をもって建っている。これから年月を重ねて貫禄を増していくのだろう。

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